2009年12月18日金曜日

途上国支援は飴?

COP15も残り一日となりました。昨日は、いったん作業部会は終了したものの、まだまだ技術的な詳細の議論が必要ということで、気候変動枠組条約と京都議定書のコンタクトグループが開催され、さらにその下に、各主要論点ごとの文書作成グループが復活しました。
細かい議論が続きながらも、世界の首脳陣が続々と到着しています。途上国と先進国の対立により、交渉は暗礁に乗り上げていると見られている中、ようやく先進国は最後の切り札として温めてきた「途上国支援」への資金拠出額を一斉に提示しだしました。アメリカは2020年までに先進国全体で年間1000億ドルを支援する提案を出してきました。日本は、実際には追加的な拠出になるかわかりませんが、鳩山イニシアティブとして2012年までに150億ドル支援すると表明しました。(90億ドルは既存のクールアース・パートナーシップ。)
先進国はこれらの途上国支援という飴玉をぶら下げ、途上国の求める「先進国による緊急な大幅削減」をうまくかわそうとしています。

途上国の貧困コミュニティでは、気候変動の影響は命に関わる緊急の問題です。先進国が温暖化を引き起こしたことに対する責任として途上国の気候変動対策は支援されるべきであり、先進国の温室効果ガスの排出削減を緩くすることと引き換えに交渉される問題であってはなりません。
すでに影響に脅かされているアフリカや小島嶼国は命がけで交渉に臨んでいます。一方、日本や欧米諸国は気候変動交渉を経済的な視点でゲームをしているように見えます。もちろんそれなりに真剣にこのゲームに取り組んでいますが。そして、その中間には飴や経済的恩恵に関心を示す国々も存在しています。各国の気候変動問題の意味合いの違いからも交渉は困難を極めています。

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